中東首脳、W杯開幕戦会場に。
トルコ、エジプト間で握手。
中東初のサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会の20日の開幕戦会場には、
サウジアラビアの国政を取り仕切るムハンマド皇太子ら近隣国首脳が姿を見せた。
トルコメディアによると、外交対立が続いてきたトルコのエルドアン大統領と、
エジプトのシシ大統領が握手する場面もあった。
ヨルダンのアブドラ国王やパレスチナ自治政府のアッバス議長、国連のグテレス事務総長らも会場を訪れた。
欧米の人権団体などがカタールの人権問題への批判を強める中、欧米の主要国首脳の姿はなかった。
カタールのタミム首長は開幕前のセレモニーで「全ての人を歓迎する」と演説。
‘@ワールドカップに出場する、ドイツやデンマークなど7つのヨーロッパのチームは、
キャプテンが虹色のハートマークに「ONE LOVE」と書かれたキャプテンマークを腕に巻き、
差別への反対を訴える考えを示してきた。
ところが、FIFA=国際サッカー連盟がこのマークをつけた選手に警告を出すと明らかにした。
着用を断念することになり、選手や監督は失望したが「他の方法を考える」とし、活動を継続する考えを示している。
イングランドは21日のイランとの試合でハリー・ケイン選手が別のキャプテンマークをつけて試合に臨み、
選手たちはキックオフ直前に片方のひざを地面につける行動に出た。
このポーズは差別や不平等に抗議するものと見られる。
一方、イラン代表も試合開始前の国歌斉唱の際、整列した選手たちが口を閉じて硬い表情のまま、
国歌を斉唱しなかった。
イランでは、スカーフのかぶり方をめぐり逮捕された女性が死亡したことをきっかけに各地でデモが続いており、
抗議の意思を表明したと見られる。