大阪市内全域を路上喫煙禁止にすると松井一郎市長が明らかにしたのは今年3月.
大阪市ではすでに御堂筋など6カ所が路上喫煙禁止地区に指定されており、
ここでタバコを吸うと係員から千円の過料を取られる。
その禁止地区を、万博開催前の25年1月をめどに市内全域に広げるという。
一方で、市は路上で吸えなくなる人のために喫煙所を新たに約120カ所設置する。
ところが、これに異論を唱えたのが大阪の商店街の店主たち。
11月10日、大阪市内の商店会が集まった「大阪市商店会総連盟(以下・総連盟)」は、
コンサルに委託して試算したデータを公表。
それによると、「まず、駅周辺は、乗降客2.5万人あたりに喫煙所一つが必要となります。
これだけで267カ所。
それ以外にもオフィス街や飲食街など人流・回遊性の多い地域にも喫煙所を設置しなければならず、
合計367カ所が必要になる。現状予定されている120カ所では到底足りず、
商店街に及ぼす悪影響は年間252億円と予測されると発表したのです」
総連盟の千田忠司理事長は、
「大阪の商店街は今でもタバコを吸いながら歩く人がいっぱいおります。コロナ前などはインバウンドもあって、
路上で喫煙する外国人観光客も多かった。もし、それを全部禁止にしたうえ過料を取るというのなら、
吸えなくなったお客さんは仕方なくデパートなど喫煙所のある場所に流れてしまう。
これまでタバコが吸えた場所から人を締め出しておいて、喫煙所がたった120カ所で本当に足りるんですか」と訴える。
大阪市は「喫煙所は閉鎖型だけでなく、開放型も合わせて造ってゆきます。
正直、120カ所でも喫煙所の用地確保は簡単ではありません。
喫煙所の設置で先行している東京都にも教えてもらいながら準備を進めているところです。
もちろん、喫煙所が少ないというご批判はあるでしょうが、日本は人口減もあって喫煙人口も漸減している。
慌てて造り過ぎてしまい、無駄になってはいけません。とりあえず計画通り造ってみて、
それで足りるかどうか様子を見ようということです」(環境局の事業部事業管理課)
しかし、大阪市のやり方は、そもそも目的と手段がズレているのではないか、と指摘するのは、
神奈川県の受動喫煙防止条例の制定に関わった東海大学の玉巻弘光名誉教授。
「喫煙規制を行う一番の目的はタバコを吸わない人の受動喫煙を減らすことです。
それならば、路上喫煙禁止地区をむやみに広げるより、屋内喫煙の規制を先に徹底するべきなのです。
松井市長は路上喫煙禁止の目的として“万博に向けて”と説明しましたが、
これでは喫煙規制が受動喫煙を防ぐためというより、吸い殻のポイ捨てを防ぐ環境美化の手段としてやっているように見える。
事実、大阪市の喫煙所の設置計画を、ゴミ対策などを行う環境局が担当していることからもそれはうかがえます」
と指摘する。
‘@松井市長の目的は大阪市をきれいに見せたいことだ。
玉巻教授の言う説なら街に喫煙所を作るべきではない。
市が堂島公園に造ったものと同じ閉鎖型の喫煙所は一つ約1400万円かかり、一度に入れるのは10人程度だという。
わたしが行動する地域の喫煙所の多くは開放型だ。
側を通ると数人の喫煙者のたばこの匂いが襲ってくる。
当然受動喫煙しているのだろう。
路上喫煙禁止には、環境美化と受動喫煙防止とタバコの火の危険を子供などから守る、いろんな要素が含まれている。
タバコを吸うのは自由だが、わたしは路上喫煙禁止には大いに賛成だ。
子供らが遊ぶ公園などの憩いの場も禁止にしてほしい。
全国でやってほしいものだ。
それこそ、たばこ税を武器に使うのではなく閉鎖型の喫煙所に使用すべきだ。
喫煙者もそれを訴えるべきだ。