4月の「物価高倒産」は75件となり、急増した3月の67件からさらに12%増加。
2018年1月に集計を開始して以降、累計で1000件を突破した。
全体の倒産件数が2月の574件から800件に急増した3月には、「物価高倒産」も前月を大きく上回ったが、
4月は全体の倒産件数は610件と前月を下回るなかでも、「物価高倒産」は増加。
倒産件数全体に占める「物価高倒産」の割合は3月の8.3%から4月は12.3%と大きくなっている。
業種別にみると、「建設業」(23件、構成比31%)がトップ。次いで「製造業」「運輸業」(各13件、同17%)、
「サービス業」(12件、同16%)、「小売業」(7件、同9%)と続いた。
物価高倒産の要因、「エネルギーコスト」「人的コスト」が最多。
要因別にみると、「エネルギーコスト」と「人的コスト」が25.0%で最多となり、『運輸業』ではこの2要因が大部分を占めた。
次いで、「包装・資材」(22.7%)、「原材料」(20.5%)と続き、『食品』や『建設』関係で多かった。
帝国データバンクでは、物価上昇分を価格転嫁が出来ずに倒産に至るケースも散見され、今後も「物価高倒産」は高水準で推移するだろうと見ている。
宅配ピザのシカゴピザ(大阪)が破産。
関西を中心に関東から九州にかけて直営店・フランチャイズ店を展開。
大手各社との競争は厳しく、仕入れコストや人件費なども重荷となり、
出店費用を借入金で賄っていたことから設立以降、収益性は低調に推移。
2020年3月期には年売上高約34億6300万円を計上。
厳しい業況が続いていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大以降は巣ごもり需要を追い風に、
2021年3月期の年売上高は約42億3300万円にまで伸長し、黒字化を果たしていた。
ところが、その他業種のデリバリー事業参入によって売り上げは減少。
宅配業者間での人材獲得競争も激化したことで、人件費が高騰し営業段階から欠損を計上するなど苦しい経営を余儀なくされていた。
今期に入っても業績は回復せず、資金繰りが急速に悪化するなか、支え切れなくなり2023年3月14日に事業を停止、
同月20日に大阪地裁へ自己破産を申請し、同日保全管理命令を受けていた。
(株)大阪フェルナンデスは、3月31日に大阪地裁へ自己破産を申請し、4月26日に破産手続き開始決定を受けた。
エレキギター「フェルナンデス」は、多数のトップギタリストが愛用。
負債は申請時点で債権者約40名に対し約1億500万円。
なお、エレキギターで著名な「フェルナンデス」ブランドを有する(株)フェルナンデスとの間で資本関係はなく、同社は営業継続中。
‘@物価高に耐えられない企業は淘汰されていくというのが政府の思惑だから、なるべきしてなって行く。