英インディペンデント紙が6日、アラブ湾岸諸国が原油取引でのドル利用を停止し、
人民元などで構成する通貨バスケット建て取引に移行する案をロシア・中国・日本・フランスと極秘に協議していると報道。
同紙がアラブ諸国や中国の匿名の銀行筋の情報として伝えたところによると、ドルの代わりに使う通貨バスケットは、
円・人民元・ユーロ・金のほか、サウジアラビア、アブダビ、クウェート、カタールなど湾岸協力会議(GCC)関係国が計画している統一通貨などで構成される。
原油の取引通貨としてドルを使うのをやめること自体は、イランがすでに実行している。
輸入国は代金支払いのためにドルを取得する必要性がなくなるという点では外為市場にとって大きなニュースだろうが、原油取引自体の革命にはつながらない。
ドル建ての原油取引停止は、ドルの下落に伴いここ10年、度々浮上しているが、これまでのところ実現したことはない。
原油のドル以外での売買シェアが上昇したとしても、こうした売買の価格を決定する指標がドル建てという現実を変えることにはならない。
世界で最も流動性の高い原油市場はニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)であり、それに続くのはロンドンのブレント先物。
ドバイで2年前に取引が始まったオマーンの原油先物もドル建てだ。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成されるBRICS圏は、最近その加盟国を拡大し、サウジアラビア、UAEも加わった。
この拡大は、これら諸国の間で非ドル化への傾向を高め米ドルの覇権に反発する動きだ。
新たな石油取引において米ドルよりも現地通貨を優先するというUAEの決定は、明確に表している、
UAEはBRICS諸国と連携することで、経済連携を多様化するだけでなく、世界の石油大国としての地位を強化している。
それは単に通貨を切り替えるだけの問題ではない。 それは国際石油貿易の構造そのものを変える可能性がある。