再三指摘してきたが、府民もやっと気付いてきたようだ。
新型コロナの感染爆発に歯止めがかからない大阪。
3度目の緊急事態宣言を経て、吉村知事に対する府民の怒りも沸騰している。
看護師が憤る。
「最大の過ちは2度目の緊急事態宣言を1週間早めて解除したことやと思います。
あの時点でも大阪で変異株の死亡例が出ていたのに、吉村知事は解除に舵を切った。
多くの医療従事者は『火事がまだ燃えているところに油を注いだようなもんや』と唖然としていました。
吉村知事のせいで、大阪はオシマイや!」
第1波で矢継ぎ早に対策を打ち出し、「コロナ対策の若きリーダー」と称賛された吉村知事だが、
今や聞こえるのは失望の声ばかりだ。
「吉村さん、北新地を潰すつもりですか」と訴えるのは、
キタの歓楽街の飲食店を束ねる北新地社交飲料協会理事長の東司丘興一氏だ。
「ずっと吉村さんを応援していたけど、最近は考えが変わりました。
1度目の緊急事態宣言の時は、我々北新地の仲間は、ほぼ100%自粛に従いました。
ところが、その後は多くの人が“いいかげんにせい”と声を上げ始めた。
コロナ前は470軒ほどあった協会加盟店も、儲けもなく会費を払うのがしんどいと、
いまや400軒を切ろうとしています。
規制をやるならやるで明確な期限や罰則を設けるなど徹底した対策を講じるべきだった。
あらゆる対策が場当たり的なんです。このままでは、江戸時代から続く北新地が終わってしまいます」
吉村知事は「見回り隊」や「給付金」などの対策を講じているが、それも有名無実化している。
天王寺駅近くで営業する飲食店店主が言う。
「『見回り隊』はひどいもんや。2人1組で巡回して、店の外から換気の状態やアクリル板の設置をチラッと見て、
あとは店の人間と立ち話をするだけ。店内に入らへんのに、何の取り締まりもできんでしょう。
時短や休業に応じた店への協力金も、前回は申請から支給まで2か月かかった。
今回もいつ給付されるかわからない。店が潰れるのが先か、入金が先かというギリギリの状態ですわ」
日本城タクシーの坂本篤紀社長が語る。
「インバウンドが激減したタクシー業界は、2019年の6割程度の売り上げで壊滅状態や。
それもこれも吉村はんが仕事をしとらんから。これまで大阪は何でも専決処分で決めて、
府立病院の職員の給料を下げたり、第3波の後にすぐ病床を減らしてきたのやから、
知事の権限で医療従事者の給料を上げればいいやんか。
吉村はんは『コロナ対策のために個人の自由を制限すべき』と言ったが、
まずは自分の権限でしっかりとした対策を打つべきです」
「吉村知事は各テレビ局に順繰りに生出演していますが、
最近は視聴者から『テレビに出る暇があるならコロナを何とかしろや』
『パフォーマンスばかりの奴を出演させるな』とクレームが増えている」(在阪テレビ局員)
ジャーナリストの大谷昭宏氏は、吉村知事と在阪メディアの「共犯関係」を断罪する。
「この期に及んでテレビに出続ける吉村知事もおかしいし、引っ張り出すテレビ局も間違っています。
吉村知事は即刻テレビ出演をやめてコロナ対策に集中し、在阪テレビ局は、
専門家を呼んでその対策の是非を報じるべきです。
先週、あるテレビに出演した後に吉村知事が、
『5月11日に緊急事態宣言解除なんて夢のまた夢ですよ』と、
弱々しくつぶやいたと関係者から聞きましたが、その通りになった。
そして、それは自らの無策の結果であると自覚してほしい」
※週刊ポスト