政治・経済、疑問に思うこと!

より良い日本へ願いを込めて。

​世界で最初に飢えるのは日本。

核戦争勃発 そのとき日本人7200万人が餓死する。

農業経済学を専門とする経済学者の東京大学大学院(農学生命科学研究科)の鈴木宣弘教授。

1982年に農林水産省に入省した鈴木教授は、農水省を退官すると、1998年からアカデミズムの世界に身を転じた。

鈴木教授が、このほど『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』(講談社+α新書)を発刊。



米国ラトガース大学の研究者らが、局地的な核戦争が勃発した場合、

直接的な被爆による死者は二七〇〇万人だが、「核の冬」による食料生産の減少と物流停止による、

二年後の餓死者は、食料自給率の低い日本に集中し、世界全体で二・五五億人の餓死者のうち、

約三割の七二〇〇万人が日本の餓死者(日本の人口の六割)と推定。

実際、三七パーセントという自給率に種と肥料の海外依存度を考慮したら、

日本の自給率は今でも一〇パーセントに届かないくらいなのである。

だから、核被爆でなく、物流停止が日本を直撃し、餓死者が世界の三割にも及ぶという推定は大袈裟ではない。



二〇二〇年に発生した「コロナショック」は、世界中の物流に大きな影響を与えた。

食料の輸出入自体への影響も大きかったが、食料を生産するための生産資材が、

日本に入って来なくなったことのほうが、より重要な問題である。

生産資材というのは、農機具のほか、人手や肥料、種、ヒナなど、農産物の生産要素全般のことだ。

日本では野菜の種の九割を輸入に頼っている。野菜自体の自給率は八〇パーセントあるが、

種を計算に入れると、真の自給率は八パーセントしかない。

種は日本の種会社が売っているものの、約九割は海外の企業に生産委託しているのが現状だ。

日本の畜産は、エサを海外に依存している。たとえば、鶏の卵は、養鶏業の皆さんの頑張りもあって、

九七パーセントを自給できているが、鶏の主たるエサであるトウモロコシの自給率は、ほぼゼロである。



また、トウモロコシに関しては、中国の爆買いによって、世界中で価格が上昇しており、

日本が買い負けるリスクも高まっている。そもそも、鶏のヒナは、ほぼ一〇〇パーセント輸入に頼っている。

今なお続くコロナショックや戦争によって、エサやヒナの輸入が止まってしまえば、

鶏卵の生産量はおそらく一割程度まで落ち込んでしまうだろう。

二〇二二年三月八日、シカゴの小麦先物相場が、とうとう二〇〇八年の「世界食料危機」時の最高値を一時超えた。

日本は小麦をおもに米国、カナダ、オーストラリアから買っているが、

これらの国には、いまや世界中から買い注文が殺到し、まさに「食料争奪戦」の様相を呈している。

そうした争奪戦の中、日本が「買い負ける」可能性はかなり高い。



‘@日本政府の危機意識の無さが良く分かるというものだ。

例え核でなくても戦争が起きれば多くの物がストップする。

国民の命は守れない。