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​戦争中に、科学的根拠やエビデンスを待っていたら敵に殺される。

大阪府は21日、府内で新たに過去最多の1242人が新型コロナに感染。

20人の死亡が確認された。府内で亡くなった人は1301人に。

随分前から大阪の感染を危惧し訴えていたが、メディアは東京ばかりを取り上げていた。

吉村知事は緊急事態宣言を首都圏より前倒しで2月末に解除。

その挙句、、感染が拡大し、そのわずか1か月後の4月5日から5月5日までの期間中、

「まん延防止等重点措置」が取られる事態となった。

しかし、感染拡大は収まらず、まん延防止措置がとられている間に、また、緊急事態宣言を要請。

前回の解除から、わずか50日余で3度目の緊急事態に突入することとなる。



しかし、大阪府民は、府の対応に不信感と慣れを感じ、人出は思ったより減らない。

医療も崩壊しているのに、いまだ崩壊寸前とか報道しているメディア。

吉村知事はもとより、メディアの責任も重大だ。

大阪の危機をもっと重く取り上げ、訴えるべきだった。

総務省消防庁は、「搬送が困難な事例」を、全国の52の消防機関に、毎週、報告を求めている。

2月11日から17日までの1週間では3317件と、前の週から610件増え、

件数の比較調査を始めた去年4月以降、最も多くなっていた。

去年11月下旬から7週連続の増加。

また、去年の同じ時期の1530件と比べても2倍以上となっている。

大阪市消防局は298件で1.8倍(+132件)、

この時点でも最大の危機感を持たなくてはいけない。



大阪府では3月以降、感染者8人が自宅で死亡。

府によると、8人のうち自宅で療養中だったのは5人。

2人は看護師の常駐するホテルへの療養に向かう前に死亡、

1人はどこで療養するか調整中だった。

病床の逼迫により、設備の整った病院ではなく、ホテルや自宅にいる感染者は、

大阪府内で約1万2千人。

病院関係者は「入院先に振り分ける行政の機能が働いていない」と憤る。

大阪では、自宅で療養している患者の容体が急変して、

救急車を呼んでも、受け入れ先の病院が決まらず、

搬送におよそ4時間かかったケースもでており、最長で7時間あまりかかったケースもある。

大阪市内では、重症病床確保のため、重篤な病気やけがの患者を受け入れる、

「3次救急」の受け入れを一部制限する病院も出ている。



大阪市消防局のまとめによると、新型コロナの患者を搬送する際、

現場到着から病院に向けて出発するまでに1時間以上かかったケースは、先週は270件。

感染拡大にともなって急増し、3月1日からの1週間と比べ、5倍以上になっており、

コロナ患者以外の搬送にも影響が出ている。

陽性と確認されて3日後の今月13日、妻が熱と全身の倦怠感に加え、胸の痛みを訴えたため、

男性は救急車を呼んだ。

しかし、救急隊員からは、病床がひっ迫しているため、保健所の許可がなければ、

病院に搬送できないと断られたと言う。

さらに2日後の今月15日、今度は妻がトイレで倒れ、気を失っているのを見つけ、

2度目の救急要請を行った。

今度は救急隊が保健所の医師と連絡をとったが、

血液中の酸素の値が入院が必要な数値ではないとして搬送されなかった。

妻は今も寝込んでいるという。



重症患者の治療を行っている病院の一つ、東大阪市にある府立中河内救命救急センターの、

山村仁所長は現在の状況について、「患者の受け入れ要請の電話は鳴りやまず、

救急の受け入れを断らざるをえない状況になっている」と危機感を募らせる。

山村所長は「新型コロナの患者が自宅待機中に呼吸状態が悪くなったという症例を20件くらい断った。

自宅やホテルで療養している患者の症状が悪化し、救急車で搬送されるケースが増えていると指摘。

山村所長は「医療現場は、東日本大震災阪神・淡路大震災のときと同じくらいのレベルになっている。

医療現場はすでに災害のときと同じような状況になっていると危惧する。

そのうえで「災害のときも通常の医療はできないが、

もう、そういう形では、できていないというのが、この数日の医療現場の状況だ。

ある程度、治療の選択肢を選んでいかないといけない」と悔やんだ。

増床しても、診る看護師や医者がいなければ何の意味もない。

そして、その増床は他の患者にしわ寄せになる。

大阪府で、地域の医療の中心として重症患者を受け入れている、

近畿大学病院(同府大阪狭山市)の東田有智(とうだゆうぢ)病院長は、

府の要請を受けて重症病床をさらに増やすことについて、

「一般診療に影響が及び、医療崩壊につながる。命の選択になる」と述べ、

コロナ以外の患者の生命に影響が出る懸念を示した。



変異株の影響についても「患者を人工呼吸器につなぐ期間が長くなっている。

より重症化している」と、危機感をあらわにした。

東田病院長は、府からの「命に別条がなく、急ぎではない入院や手術」の延期要請に対して、

「不要不急の手術なんてない」と憤る。

例として「あなたの家族ががんを宣告された。

今コロナなので手術を1カ月延ばしてと言われたらどうですか? 

手術を延期するとはそういうことだ」と悲愴感を述べた。

死ななくていい患者が死んでいく。

信用がなくなると誰も信じなくなる。

しかし、自分自身や友人身内を守ることは必要だ。

自身を守ることが他を守ることとなる。

戦争中に、科学的根拠やエビデンスを待っていたら殺される。

何も手立てがない今、感染者を増やさないようにするしかないのだ。