豪・米に拠点を置くサイバーセキュリティー会社「インターネット2・0」の調査チームは5日までに、
新型コロナの感染者が世界で最初に報告された中国・武漢が位置する湖北省で、
PCR検査機器の契約数が、2019年前半から急増していたとする報告書を公表。
調査チームは米・英・豪の情報機関の元職員らで構成。
公開されている07年以降の中国政府の調達データを使って解析。
報告書によると、湖北省では19年のPCR検査機器の契約額は約6740万元(約11億6千万円)で、
前年より2倍近く増えたという。
大学は前年の2倍、疾病予防管理センターや動物の検査施設でも急増した一方、
病院は大きく変わらなかった。
契約額が急増したのは19年5月。
(中国・武漢、新型コロナ対策の新病院がわずか10日で完成 )
武漢で地元当局が公表した新型コロナによる最初の発症例は19年12月だが、
調査チームは「5月に最初の感染があった可能性がある」と指摘。
「今回の調査結果は、パンデミックの発生時期についての仮説を覆すものだ。
パンデミックの始まりは、中国がWHOに通知するよりもはるかに早い時期だと、
高い確信を持って評価している」と結論づけた。
ただ、湖北省での契約額は最近5~6年ほど増加傾向にあり、
専門家は、米ブルームバーグ通信に対し、
PCR検査は、新型コロナ以外の病原体の検出にも広く使われ、
「報告書が示した結論に達するには、十分な情報がそろっていない」との見解を伝えている。
チームは新型コロナの出現が従来考えられているより早かった可能性があると結論づけたが、
契約件数は継続的に増加傾向だったため、報告書の結論には慎重な見方もある。